マッスルメモリーとは?科学的な原理を解説

筋トレをしている人ならすべての人が知っておくべき、「マッスルメモリー」という概念があります。実はこのマッスルメモリー、全トレーニーの味方とも言えるとても嬉しい仕組みなのです。

今回はこのマッスルメモリーとはどういったもので、どんな原理なのかを解説していきます。

マッスルメモリーとは何か?

筋肉は過去のトレーニングを覚えている

筋肉は一度トレーニングをやめてしまっても、またトレーニングを再開すればもとのような力を出せるようになることが知られています。これは多くの人が経験によって感じていることでしょう。

この現象はまるで筋肉が記憶を持っていて、過去のトレーニングを覚えているかのようであることから、「マッスルメモリー」と呼ばれています

なかなか1年を通してトレーニングをし続けることは難しいですから、これが本当ならありがたいことですよね。実は、マッスルメモリーは実際に科学的に立証されているのです。

マッスルメモリーの原理

筋細胞の核が増える?!

マッスルメモリーの原理の一つとして知られているのが、筋細胞の核が増えることによるものです。

実は筋細胞は、核が一つではなく複数ある「多胞体」とよばれる特殊な細胞です。その核の数は数千にのぼると言われています。

トレーニングをするとこの核の数が増えることが知られており、トレーニングをやめても核が消失することはないため、トレーニングを再開したときのリカバリーが早いと考えられるのです(※1)。

トレーニングをやめると筋肉がしぼんでしまうのは、あくまでタンパク質の同化よりも分解が進んでしまうためであって、筋細胞の核には影響がないのです。

糖を代謝する力を覚えている

もう一つマッスルメモリーを説明する原理としては、糖代謝能があげられます。

筋力トレーニングのような無酸素運動で筋力を発揮するときのエネルギー源は糖です。つまりトレーニング中に発揮できる力は、いかに糖を代謝できるかにもかかっていると言えます。

トレーニングは筋肉中の糖輸送体「GLUT-4」を増加させることが確認されています(※2)。一度トレーニングをやめても糖輸送体GLUT-4の増加を筋肉が記憶しているので、糖代謝能がふたたび上がりやすい体になっているのです。

このように糖代謝能がトレーニングの再開によってすみやかに元に戻ることが、マッスルメモリーの原理の一つとして考えられます。

マッスルメモリーはいつまで続くのか

少なくとも3ヶ月は持つ

さきほど説明した、核が増えることによるマッスルメモリーは失われません。一度増えた核が失われることはないからです。

ただし、筋力には筋サイズ、糖代謝、骨格などその他の要因も絡んでくるので、必ずマッスルメモリーは失われないとは限りません

しかし、少なくとも3ヶ月一切トレーニングをしなくても元のレベルに戻ることができることは確認できています。

マッスルメモリーを信じてトレーニングしよう

積み重ねはムダにならない

忙しくてトレーニングが定期的にできないと、筋肉がついてはすぐしぼむ、の繰り返しでやる気がなくなってしまう場合もあると思います。

でも、あなたの頑張りは筋肉がしっかり覚えているのです。見た目の結果こそすぐには出ないかもしれませんが、トレーニングの積み重ねは必ず体に蓄積していきます。

モチベーションが上がらないときも自分の筋肉を信じてトレーニングを継続するのが、目標を達成する一番の近道なのかもしれませんね。

マッスルメモリーのまとめ

マッスルメモリーとは、筋肉が過去のトレーニングを覚えていて、しばらく休んでもすぐにもとに戻れる、ということでした。しかもこれは、科学的に証明されていることです。

トレーニングをしているわたしたちとしてはとても都合のいい仕組みなので、休むときは思い切って休んでしまうなど、上手く活用していきたいですね。

(※1)参考文献 出典 : Myonuclei acquired by overload exercise precede hypertrophy and are not lost on detraining
(※2)参考文献 出典 : トレーニングによって骨格筋代謝機能に形成されるマッスルメモリー機構の解明

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