遅筋とは何か?速筋との違いと、化学的性質から考えるトレーニング方法

筋トレを続けている人なら、遅筋と速筋という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。より効果的なトレーニングをするためにはとても重要な概念です。

今回は遅筋の性質と、速筋との違い、そこからトレーニングをどう変えていけばいいかについて解説していきます。

遅筋とは?

スピードが遅く、持久力のある筋繊維

筋肉を構成しているのは1本1本の細い筋繊維ですが、この筋繊維はその性質からいくつかのタイプに分けられることをご存知でしょうか。

大きな分類としては「遅筋(赤筋とも)」と「速筋(白筋とも)」と呼ばれる筋繊維に分かれていて、誰のどの筋肉も、必ず遅筋と速筋がバラバラに混ざった状態でできています。

遅筋はその名の通り、最大筋力を発揮するまでの時間が長い「遅い筋肉」で、そのかわり長時間力を発揮し続けることができる筋肉です。

遅筋と速筋の違い

速筋は瞬発的な力を発揮するが、すぐバテる

遅筋の逆で、速筋は最大筋力を発揮するまでの時間が短い「速い筋肉」ですが長時間力を発揮し続けることが出来ません

そのため遅筋は長距離走など持久力が重要になるスポーツ、速筋は短距離走など瞬発力が重要になるスポーツで有利です。

エネルギーの合成の仕方が違う

また、化学的なしくみも異なっていて、筋肉は全てATP(アデノシン三リン酸)をエネルギー源としますがその合成の仕方が違うのです。

遅筋の赤色は実は酸素と結合するミオグロビンの色で、酸素を使って脂肪を燃焼させることでエネルギーを得ているため長時間力を発揮することができるのです。

逆に速筋は、クレアチンリン酸筋グリコーゲンといった物質からを酸素を使わずにATPを合成し、乳酸などの代謝生成物を生み出します

遅筋を鍛えるメリット

持久的な筋力が鍛えられる!

遅筋と速筋の繊維の割合は人によって固定されている、と昔は考えられてきました。しかし今では遅筋・速筋比率はトレーニングによって変えられることが知られています

実は速筋線維はさらに2つに分けられ、純粋な速筋である「TypeⅡ-a繊維」と持久的な力も持つ速筋である「TypeⅡ-b繊維」が存在し、この2つは互いに移行し合うのです。

簡単に言えば、持久的なトレーニングをすれば遅筋が増え、瞬発的なトレーニングをすれば速筋が増えると言えるのです。

遅筋の鍛え方

低負荷・高回数の筋トレや有酸素運動

遅筋を鍛えるためには、もちろん遅筋を使う必要があります。

「エネルギーの合成の仕方が違う」でさきほど説明したとおり、遅筋は有酸素的にエネルギーを生み出します。ですから筋肉へ酸素の供給が間に合わずに速筋を使ってしまうほど激しいトレーニングをしてはいけないということになります。

つまり遅筋のトレーニングに適しているのは、ジョギングなどの長時間続けていられる有酸素運動、または30〜40回以上続けられるような筋力トレーニングです。

速筋を鍛えたいなら、筋肉を追い込もう

ちなみに筋肥大を起こすのは速筋線維なので、体を大きくしたい人は速筋を意識的に鍛えましょう

筋肉に酸素が供給される状況だと遅筋が使われてしまうので、筋肉が「きつい」と思うような無酸素状態に追い込むことが必要になります。

このような状況では遅筋線維はエネルギーを産出できず、速筋線維に十分な刺激を与えることができるようになるのです。

遅筋と速筋を区別して鍛えよう!

遅筋・速筋の概念は筋トレ上級者の間ではもはや常識となっています。

それぞれの目的に合わせて遅筋と速筋のどちらを鍛えるのかを明確にすることで筋トレの効果はさらに上がるでしょう。

今どちらがメインで使われているのか、なんて考えながらトレーニングをしてみると、また違った世界が見えてくるかもしれませんね。

あわせて読みたい