パワークリーン(ハイクリーン)の効果とやり方!爆発力を鍛え上げる!

筋トレのメニューといえば筋トレBIG3と呼ばれるベンチプレス、デッドリフト、スクワットをやっている人がほとんどだろう。しかし、中級者を卒業し上級者になるために欠かせない筋トレがある。それが「パワークリーン」だ。今回はこのパワークリーンの驚くべき効果、そしてやり方や正しいフォームの練習法を解説する。

パワークリーン(ハイクリーン)とはどんな筋トレか?

 

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パワークリーンとは全身を使い、バーベルを床から肩の高さまで一気に持ち上げる筋トレ。もともとはウェイトリフティングの種目だ。

パワークリーンは難易度が高いこともあり、昔はウェイトリフターしかやっていなかった。しかし、近年、スポーツへの効果が非常に高いことが注目され、今では多くのスポーツ選手がトレーニングに取り入れている種目になった。

詳しいやり方は、いくつかの重要なポイントがあるため、後ほど詳しく解説する。

また、パワークリーンはハイクリーンとも呼ばれる。実はパワークリーンはいくつかあるクリーン系種目の一つに過ぎない。己の肉体改造に飽くなき探究心を持つ読者のために他のクリーンも記事の最後で紹介する。

パワークリーン(ハイクリーン)の効果

パワークリーンには素晴らしい効果が多くある。一つ一つ見ていこう。

全身の筋肉を圧倒的に鍛える

パワークリーンでは体の下から順に

・ふくらはぎの筋肉(カーフ)
・太もも裏の筋肉(ハムストリングス)
・太もも前の筋肉(大腿四頭筋)
・お尻の筋肉(大臀筋)

・背中の筋肉(広背筋、大円筋、僧帽筋)
・腕の筋肉(上腕二頭筋)
・(補助として)腹筋

と胸、肩、上腕三頭筋という押す筋肉3つ以外を、なんと全て鍛えることができる。

ここまで多くの関節や筋肉を同時に、そして瞬間的に鍛えることができるトレーニングはパワークリーンだけといっても過言ではないだろう。

瞬発力、ジャンプ力の向上

アスリート以外にはあまり知られていないが、パワークリーン(ハイクリーン)の動作は一言で言えば「ジャンプ」だ。

重いウェイトを持ち、ジャンプの動きして爆発的にバーベルを持ち上げる。

その結果、下半身の筋力が高負荷で鍛えられ、瞬発力やジャンプ力が向上するのは言うまでもないだろう。

スポーツ選手が近年こぞってパワークリーンをトレーニング種目に取り入れているのも納得できるはずだ。

しなやかさ、体幹の強さ、全身のバネを鍛える

パワークリーンは唯の「バカ力で持ち上げる種目」ではない事を忘れてはいけない。意外にも、体のフレキシビリティーが鍵となるエレガントな筋トレなのだ。

パワークリーンは複数の筋肉と関節を使うコンパウンド(多関節)種目の中でも、最も多く、ほぼ全身の筋肉と関節を使う種目。

正しくウェイトを上げるためには、関節を通じて体の下から上にパワーを伝達しなければならない。

この動きが、「しなやかさや体幹の強さ、全身のバネ」といったものを強化してくれる。

一つ一つの筋肉をバラバラに鍛えるよりもパワークリーンを通して一連の動作の中で鍛える方が、よりスポーツなどの実践に向いているのだ。

筋力が向上する

もちろんパワークリーンを行うことで、単純に筋力向上ができる。パワークリーンは全身の筋肉を動員する種目のため、他の種目より重いウェイトを扱うことが出来るからだ。

筋肥大にも役立つ

一般的には、筋肥大をメインの目的としている人にパワークリーンがすすめられることは少ない。

パワークリーンは動きが素早く瞬発的な上に、一般的に1セットに1回や2回しかやらないのが一般的であるが、

筋肥大に最も効果的なのは10回が限界の重さで10回行うことのため、パワークリーンは筋肥大には向いていないというのが通説だ。

しかし、パワークリーンを行うことで逆に筋肥大が起こりやすくなるという見方もある。

パワークリーンにより、全身の筋力や体幹が強くなり、結果的に他のベンチプレスなどの種目で扱える重量が増えて、筋肥大がより起こるということがあるからだろう。

さらに次で説明するが、筋肥大をさせるためにも神経系のトレーニングを多少は取り入れた法がいいだろう。

筋肉と神経のコネクション!

筋トレの上級者になるためには神経を意識して筋トレすることが欠かせない。

具体的には、最大筋力を発揮するためには、神経から筋肉への一瞬の信号の伝達がどれだけできるかが鍵になる。

最大筋力を出して重いウェイトを扱うことは速筋を鍛えて肥大させるために重要なプロセスだ。

実際、元ボディービルダーであり、東大教授、理学博士の石井直方氏もパワークリーン(ハイクリーン)は筋肉と神経の協調性を高める非常に有効なトレーニングと言っている。(※1)

パワークリーンの効果のまとめ
・全身の筋肉を鍛えられる
・瞬発力、ジャンプ力が向上しスポーツに効果抜群
・体のバネやしなやかさ体幹も鍛えられる
・筋力も向上する
・筋肥大にも間接的に好影響
・筋肉と神経のコネクションレベルを上げる

    パワークリーン(ハイクリーン)はアメリカでアスリートの定番!

    アメリカでは、いかなるスポーツを行うアスリートであっても、パワークリーンを行うようになっている。

    実際、アメリカのトレーニングメディアIRON MANにて、Johns Hopkins 大学のトレーニングコーチのBill Starr(ビル・スター)氏は

    フィラデルフィアのボートクラブやボルチモア・コルツというフットボールチームでもパワークリーンを用いて指導し、アスリートのパフォーマンスを向上させたと述べている。(※2)

    パワークリーンはアスリートにとって欠かせない種目となっていることに、日本人アスリートは気づかなければいけない。

    パワークリーン(ハイクリーン)のやり方

    写真でパワークリーンをチェック

    画像URL 出典URL : https://bodix.jp/4372

    動画でパワークリーンをチェック

    それでは、パワークリーンの素晴らしい効果がわかったところで、実際のやり方を見ていこう。

    有難い事に、伝説のウェイトリフターのディマス選手のパワークリーンをスローモーションで観れる動画がある。まずは動画を見てもらいたいが、この動きを文字で説明すると

    1. バーベルを床に置き腰を入れて持ち上げる(ファーストプル)
    2. バーベルが膝を通過した瞬間に、床を強く蹴り一気に肩までバーベルを持ち上げる(セカンドプル)
    3. 膝を曲げ、バーベルの下に肩を滑り込ませ、バーベルをキャッチする。この時肘は曲げて、手首を返す(キャッチ)

    という3つの動きで構成されている事が分かる。以下でそれぞれのポイントをしっかりと押さえてほしい。

    パワークリーン(ハイクリーン)のポイント

    ファーストプル

    ファーストプルは、地面から膝下までバーベルをゆっくりと持ち上げる動作。

    特に難しいことはなく、デッドリフトとほぼ同じと思ってもらって構わない。上半身は背筋を伸ばし、前に倒したままにしておこう。

    セカンドプル

    次は鍵となるセカンドプルの動きだ。

    まず、バーベルが膝を通過する際、上体を起こす動作で素早く持ち上げる。すると、自然にバーベルが脚の股関節下あたりにぶつかるだろう。

    ここが最も重要で、この瞬間に地面を強く蹴って「ジャンプ」の動作をする。この力を利用して、一気にバーベルをを体のラインに沿って肩の位置まで引き上げるのだ。

    この動作を、「トリプルエクステンション」(足首・膝・股関節の3つを一気にのばして飛び上がること)」と呼ぶ。

    上半身の動作は「アップライトローイング」に近いイメージを持つとやりやすいだろう。

    キャッチ

    最後はバーベルを受け止めるキャッチ。二の腕が地面と平行になるように腕をバーベルの下に素早く滑り込ませる。

    バーベルを受け止めるのは、ほとんどが三角筋(肩の筋肉)の前部、サブとして喉元と手を使おう。

    二の腕がきちんと地面と平行になっていないと、この三角筋の前部が盛り上がらないままキャッチすることになり骨に当たって痛い。ひどい場合は手首を痛めてしまうので最後まで気を抜いてはいけない。

    フォームの練習から始めよう

    まずは、重量なしのバーベルのみでフォームを習得するのがベスト。

    こちらの動画でフォームの習得の練習をわかりやすく学ぶ事ができるので参考にしてほしい。

    パワークリーンのフォームのまとめ
    1. ファーストプル
    →デッドリフト同様に床からゆっくり持ち上げる
    2. セカンドプル
    →ジャンプしてバーベルを素早く持ち上げる
    3. キャッチ
    →手を返して肩でキャッチ

      パワークリーン(ハイクリーン)で一番重要なのはセカンドプル

      パワークリーンで一番重要なのはセカンドプルだ。専門的な話だが、一流のウェイトリフターは皆、床からゆっくりとバーベルを持ち上げセカンドプルの瞬間に一気に加速する技術を持っている。(紹介した動画も)

      これはバーに対して一番最大筋力を発揮できるのが太ももの前の高さだからである。

      実際、ペンシルバニア州立大学とコネチカット大学の教授であるザチオルスキー博士とクレーマー博士の書籍Science and Practice of Strength Training(訳題:筋力トレーニングの理論と実践)において、

      “様々な高さでバーに対するアイソメトリックでの最大筋力を測った結果、太ももの前の高さが最大で約360kgであった”(※3)

      という事が明らかになっている。この最大筋力を出せるタイミングでいかに加速するかでパワークリーンが決まってくるのは間違いない。

      パワークリーン(ハイクリーン)の注意点

      パワークリーンは瞬間的にとても大きな力を発揮する分、ケガもしやすい。特に痛める可能性があるのが、痛めやすい順に

      ・腰
      ・手首
      ・太もも

        入念にストレッチやウォームアップを行うように。

        パワークリーン(ハイクリーン)のバリエーション

        パワークリーン以外にもいろんな種類のクリーンがある。興味がある人は、パーワークリーンが出来るようになったら、他のクリーンにもチャレンジしてみてほしい。それぞれ、効果や扱える重量が微妙に違っていて面白い。

        ロークリーン

        バーベルを持ち上げたあと低い位置でキャッチして深くしゃがみ込むクリーンはロークリーン、または単にクリーンと呼ばれる。

        一番重い重量を扱え、難度も最も高い。

        パワークリーン(ハイクリーン)

        これに対し、高い位置でキャッチしてしゃがみこまないのがパワークリーン(ハイクリーン)。このほうが扱える重量は低いが、2~3レップ行うようなトレーニング向き。

        ハングクリーン

        普通バーベル地面に置いてからスタートするが、腕にぶら下げて持った状態からスタートするのがハングクリーン。勢いをあまり使えないのでより上半身のパワーが問われる。

        パワークリーン(ハイクリーン)をやってみよう

        パワークリーンは1回1回が一瞬で終わってしまうのでフォームをきちんと正しく行うことができるようになるまでかなりの練習を要すだろう。

        ただその分、全身が連動して重いおもりを持ち上げられた時の快感はとても大きい。いつもとは違う一瞬のパワー重視のトレーニングを是非試してみてほしい。

        ※1)参考文献 : 出典 IRON MAN MAGAZINE The Power Clean: The Athlete’s Exercise
        ※2)参考文献 : 出典 石井直方 レジスタンストレーニング p.40

        ※3)参考文献 : 出典 ブラディミール・ザチオルスキー, ウィリアム・クレーマー 筋力トレーニングの理論と実践p.41